こんばんは!
前回は、徴兵免除の条件やそれを拒否した場合について書きました。
今回ももう少し踏み込んでみたいと思います。
いかなる理由でも兵役逃れは許されない
韓国では、有名人などが「兵役逃れ」をして非難されているニュースが流れます。
兵役義務を重視している韓国社会では、兵役から逃れることは法的にも、社会的にも制裁をうける犯罪行為なのです。
それが、国民の模範である政治家や著名人であった場合には、批判はさらに大きくなります。
また、宗教上の理由で兵役を拒否する良心的兵役拒否者というものがでてきていますが、現在の韓国では全く認められていません。
そのため、年に数百人がこのような理由で兵役拒否を行い刑務所へ収監されています。

また、国外で永住権を故意に取得し、兵役逃れをした有名なニュースがあります。
2002年に、アメリカで活動していたユ・スンジュンという有名歌手が入隊直前にアメリカ市民権を取得したため、兵役忌避とみなされ入国拒否処分を受けました。
国民からも「裏切り者」のレッテルを貼られました。
憲法には「兵役忌避を目的に大韓民国国籍を喪失した者は国籍回復ができない」とあり、現在もユ・スンジュンの韓国入国が拒否されている状態です。
今後、ユ・スンジュンは韓国へ行くことも韓国人に戻ることも許されないのです。
海外で育った場合
では、在日・在米コリアンなどの外国出生者はどうなのか!?
満6歳以前の国外出国者は、満17歳の年まで、その国で暮らし国籍や市民権、永住権などを取得している場合に限って兵役義務は課せられません。
また、韓国の小・中・高校在学歴が3年以内の場合も「在外国民2世制度」となり兵役免除の対象となります。
しかし、満25~37歳までは、韓国に出入国する前に大使館や領事館などでパスポートに「在外国民2世」の捺印を押してもう必要があります。
ちなみに、兵役義務を終了していない韓国男性は、海外旅行も制限されます。
満25歳以上の兵役未了者は海外渡航時に兵務庁の許可が必要になり、さまざまな厳しい制限があります。

復学生
先述した通り、海外渡航をする際にもさまざまな厳しい制限がでてくるために、とにかく韓国男性は若い内に兵役に就くことを希望します。
韓国では大学在学中に休学して兵役に就くケースが多いようです。
そのため韓国の大学は、除隊して大学に復帰した「復学生」が多いのです。
しかし、この「復学生」という事実が有利に働くことがあります。
韓国では就職活動の際に、履歴書には兵役を済ませたか否かについて記入する欄があります。
それは、せっかく就職しても途中で軍隊に入隊してしまうことになるためです。
これは、採用する側としては確認しておきたいですね。
また、兵役に就いていたときの所属部隊について記入を求める場合もあります。
これは、部隊での経験や人脈を把握して、採用するにあたって参考にするそうです。
結局のところ、韓国男性は26・27歳で社会に出るため、女性の方が2~3年早く社会経験を積むことになります。

韓国サッカー選手の兵役義務~ロンドン五輪と日韓W杯の選手たち~⑥
日本では考えられないことばかりですが、韓国男子にとって兵役義務は韓国社会を渡り歩く上で避けては通れないものなのです。
つづく